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前ユネスコ事務局長 松浦晃一郎さんのお話し

8月30日(火)、斜里町で開催された、1999年から2009年まで国連の教育機関であるユネスコの事務局長を務めた松浦晃一郎さんの講演会に参加してきました。

 

P8300015.JPG世界遺産の保護・管理を重要な目的・目標とする根本的な背景や諸問題のお話しがありました。
地球誕生から46億年経つが、これほど一つの種が(人類のこと)地球環境を独占している状況はないという事。また、その人類の著しい人口増加、それに伴うCO2による地球温暖化や種の絶滅・・・
その根本問題である「人類の在り方」について話し合われた1992年の地球サミットが発端で、「生物多様性条約」と「気候変動枠組み条約」が出来たこと・・・
日本は、地球サミットを期に、「石の文化遺産」という別名があった世界遺産条約に1992年締約国入りし、翌93年に法隆寺地域の仏教建造物群、姫路城、屋久島、白神山地が登録されました。

 

無形文化遺産のお話しやモラルのお話しもありました。
形のないお祭りや伝統舞踊は「無形文化遺産」として登録されます。日本でも16件(2010年現在)登録されています。形のある遺産、有形の「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」と同じ条約に出来ればよいのだが条約の制度や様々な地域の感性の問題等難しい問題点があるようです。
屋久島や世界各地の世界遺産登録地では、登録後に観光客が急増したためゴミや登録物件悪化の問題があるようです。

 

知床は、「生態系」「生物多様性」が評価され2005年に世界自然遺産に登録されました。屋久島、白神山地、そして今年6月登録認定された小笠原諸島にはない「生物多様性」というクライテリアが評価されています。
知床の「生物多様性」「生態系」は、通年もしくは何年もいないと実感しにくい魅力です。屋久島のクライテリアの一つ「自然景観」はとても実感が湧きやすい。暖流と寒流が形づくる、屋久杉を中心にうっそうとした独特の森。
私は、知床の魅力は「無形文化遺産」(お祭りや伝統舞踊)に通じるものがあると思いました。見えないもの(生態系)、ある時期やタイミングでしか出会うことの出来ない希少な生き物(オオワシやシマフクロウ)。そのような魅力を来訪者の皆さんにどうお伝えし、守っていくか。
知床世界遺産センターの役割を、改めて考えさせていただきました。

 

 

(担当:イナバアヅサ)

記事掲載日: 2020/12/04  カテゴリ: 活動報告