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登山道があるところ


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5月は暑いと寒いの繰り返し。
昨日から2日続けて平地は気温10℃を下回り、知床横断道路は悪天候のため終日閉鎖しています。

また、知床半島先端部地区についても、

先端部地区は日ごろ紹介しているとおり、
「厳しい自然環境であり、利用のための整備等がなされていないエリア」です。

さて、ではこの「整備」をおこなっている場所では、具体的に何を実施しているのか?




5/12、羅臼岳にて
羅臼温泉コースの巡視の合間、早くも今夏の整備作業がおこなわれたので一部をご紹介。

登山道周辺のようすは 知床羅臼ビジターセンターブログ で詳しくご覧いただけます!

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登山道はトレイルをつけたら終わり、ではありません。

毎年、草刈りや倒木処理、落石や崩落箇所の確認、
看板の設置、沢や雪渓での道迷い防止の誘導ロープ設置etc

登山道自体のメンテナンスと、
利用者の安全を確保するための管理の継続が必要です。

この日は運よく?前日の雨も上がり作業にはまずまずのコンディション。
風雨の日に当たると「ぐちゃドロ」の悲惨な作業...


冬の間に倒れたであろう、登山道をふさぐ大きな倒木の処理。
チェーンソーは持ち込めません。手ノコで容量よく切断し、男3人で転がして移動。

時間、労力、人手も必要な、大変な作業です。




この日、泊場(標高約800m)から上部は、残雪で登山道も森もつながっているので
目的地までショートカットして進みます。

春先、芽吹き前の山の中は視界が広い。

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画像中央正面、夏に皆が苦心する「屏風の雪渓」、
そのさらに下側で、雪崩の跡を発見。

発生は4月上・中旬の見込み、
発生地点が屏風岩上部(西側)と見られ、沿面距離約1.2km、
登山道上(屏風の雪渓上)を雪崩が走っていました。

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サシルイの沢への迷い込み防止ロープ、お花畑分岐標柱設置、
羅臼平へのロープ設置など、高標高エリアの整備は次回以降。

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岩清水から上部、雪渓は例年どおり大きく2箇所。
稜線上は予想に反し?この時期にしては融雪が進んでいるようす。

目に映る白い面がすべて消失するまで数か月。
融けた雪は水となって、川を下り、地を流れ、根室海峡、オホーツク海へ注ぎます。

四季の変化、自然のサイクルは繊細かつ壮大。
知床はそんな移ろいを、まっすぐに体感できる場所です。

この先、みなさんのお越しをお待ちしています!



★片道約7kmの羅臼温泉コースは「上級者向け」です。
登山道は整備をおこなっていますが、ササや岩で滑りやすい足元の不安定な斜面、渡渉、雪渓などがあり
快適が担保されているものではありません。

稜線や山頂付近は、先端部地区のバックカントリーの厳しさに並ぶ、命の危険にさらされることもある環境です。
先々、登山を計画されるかたは、出発前に知床羅臼ビジターセンターへお立ち寄りください★

(知床財団イナバ)


 記事掲載日: 2020/05/16  カテゴリ: NEWS
   

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