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先端部地区の山のなか03



知床沼からはじまる朝。

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南からの風は北寄りになり、唸っている。
天気予報は夜から雨。

不在中にポールが折れたら困る、日のあるうちに撤収すべきか、
起こりうるあらゆる出来事を考えながら、ひとまずテントを潰して1132峰へ。

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標高差約200m、
12年前に、1時間で登った区間は
ヤブの濃さに押され、迷い、2時間。

当時は走って登ったのか?...(いや、体力の低下、もとい老化だろう)

稜線上から1243峰。

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雪渓が予想より残っている。
空が抜けたところでは少し気も晴れる。が、

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基本はこんなありさまだ。

かつて見られた古い・狭い・細いトレースは
枝葉を広げ成長し・あるいは枯れたマツやササに埋もれ、見落としの連発。

ヤブに阻まれ、目の前、たった数メートルが進めない。
右か左か、行ったり・来たり。

距離で半分、歩き始めて3時間を過ぎ、先を思って心が折れた。

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虚しい帰路、稜線上で携帯電波は入るか試してみたが圏外。
下り道、ルートを外し、木に登って偵察。

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青々とした樹の海。
ヤブ漕ぎ土産のマツヤニをまとった汚く侘しい自分にも、
この景観は掛け値なし。




知床岳夏季登山では、過去に低体温症による事故も起きています。
ロングルートのヤブ漕ぎです。目指す人は心して来てください。

まずはシレココを読んでから




(知床財団イナバ)


 記事掲載日: 2020/04/13  カテゴリ: NEWS
   

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