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7月25日~27日【知床岳】巡視報告①相泊から知床沼へ

 知床岳。知床の名がつくこの山を皆さんはご存知でしょうか。知床峠から見えるのはご存知羅臼岳です。知床岳は羅臼岳を主峰とする知床連山を越えてルサ・ルシャ川の向こう側(岬先端側)、知床の真ん中にある山です。そのため、見るためには知床連山に足を進めるか、海に出る必要があり、簡単には目にすることができません。

 今回はその秘境の様な知床岳に向かう23日の巡視について、現地状況を含め3回に分けてお伝えさせていただきます。まずは巡視1日目、相泊から知床沼までです。



巡視1日目 天候:曇りのち晴れ

①相泊からウナキベツ川(6:30-8:20)
1707_ishihama.JPG  石浜が続く海岸線を知床岳の入口であるウナキベツ川の河口に向かいます。海岸を通って山に向かうのは知床ならでは。7月から羅臼の夏の風物詩昆布漁もはじまり、賑わいを見せています。干している昆布を避けながら不安定な石浜を渡ります。








②ウナキベツ川から青沼(8:20-10:50)

1707_shinnrinntitai.JPG ウナキベツ川を遡上するように森林地帯を進み中継地点の青沼(写真奥)を目指します。コマドリなどの鳥が囀る道中ですが、ここでの問題は登山道がないということです。そもそも、知床岳に向かう道中に登山道はありません。地図とコンパスまたはGPSを使用して行動する技術が必要になります。






③青沼からポロモイ台地入口(10:50-14:00)

1707_houkaichi.JPG 青沼を越えると急斜面を登り、一気に高度をかせぎます。ここはいつもどこかで土砂崩れが起きているような崩壊地。その際を歩きます。景観は素晴らしいのですが、足下には特に注意を配る必要があります。






④ポロモイ台地から知床沼(14:00-16:20)
1707_haimathuthitai.JPG ポロモイ台地を越えれば最初の目的地、知床沼に到着です。台地なので傾斜はきつくありませんが、その上には緑の海、ハイマツ帯がどこまでも広がっています。ハイマツが薄いところを縫うように、ひたらす藪漕ぎをしながら進みます。ハイマツが濃いところに入ると大変なことに...。






⑤知床沼(16:20)

1707_shiretokonuma.JPG そうして辿り着いたのが知床沼。個人的に知床で一番オススメの沼です。ハイマツから飛び出してきたかのごとく現れる知床沼に心を癒やしてもらいました。

 











 今回はここまでです。行動時間は
8時間でした。途中で作業をしながらの移動だったのでもう少し早く辿り着けたとは思いますが、半日近い時間を要しました。
 先にお伝えいたしましたが、知床沼までの道中は登山道がありません。装備、情報を十二分に整え、余裕のある行程で挑戦する必要があります。ぜひ事前にルサフィールドハウスに立ち寄って、最新の情報を収集してください。ヒグマ対策も忘れずに。



 次回、知床沼から知床岳までについて、お伝えさせていただきます。お楽しみに!



環境省 羅臼自然保護官事務所

 記事掲載日: 2020/04/13  カテゴリ: NEWS
   

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